市川房枝記念会職員解雇の件に関する緊急アピール

 市川房枝記念会の突然の職員解雇の件は、私の本家ブログ、「ふぇみにすとの雑感」@シカゴに、「市川房枝記念会・労組組合員を解雇」というエントリで触れている他、ファイトバックの会ブログ、id:discourさんの「市川房枝記念会の解雇問題」エントリ http://d.hatena.ne.jp/discour/20060716や、ファイトバックの会・ブログなど、すでにいくつかのブログでも話題になっている。組合の方によれば、やはり、職員の意思はまるで聞かれることすらないままの、今回の決定だったようだ。
 
 この件に関する、市川房枝記念会職員・女性ユニオン東京からのアピール文の、ブログへの掲載許可をいただいたので、以下に掲載する。(転載歓迎)


 婦選会館を愛するすべての人々へ緊急アピール

 婦選会館は市川房枝記念会理事会が今年3月に実施した耐震診断の結果、7月1日から使用中止の事態となりました。私ども職員は、6月7日にはじめて耐震診断の結果を聞き、事態の成り行きに大きな不安を抱いておりました。翌週12日には6月末で会館使用を中止とすることが発表され、7月は代替教室で講座を実施いたしました。担当職員は、会場費が安い津田塾大学同窓会および家庭クラブ会館に仮教室を確保し講座継続に奔走しましたが、7月7日午後4時20分頃、本尾良理事長と山口みつ子常務理事は、7月2日の理事会決定として、全職員に以下の報告をいたしました。 

「7月1日から会館を一時使用禁止としているが、将来構想検討委員会の決定にそって、記念会の事業は今後、財政基盤を安定的にするため女性問題の調査出版と婦人参政資料の整備と保管・公開に特化し、英語教室、政治教育部の講座の今年度2期以降及び来年度以降の募集は行わない。したがって、財政が厳しい中、収入が無くなるので雇用は維持できない。職員4名(政治教育部1名、総務2名、国際部1名)は8月10日までに残務処理を終わらせ、出版部の2名については10月末をもって退職をお願いしたい」という、職員のリストラを通告する内容でした。まさに寝耳に水の退職勧奨に対して、女性ユニオン東京の組合員3名は「辞めない」意志を記念会に表明しました。

 2006年度事業計画はこれまで通りの手順で作成され、4月から新年度事業が開始されています。一方、耐震補強工事がいつ始められるのか、どのくらいの時間と経費がかかるのか、誰もが抱いている疑問に対して「何も決まっていない。計画はこれからだ」「インフラの問題もあるので2?3年はかかる」と常務理事は発言しています。耐震補強工事の具体的計画がまったく無く、「人命優先」の掛け声で会館使用を突然中止し、英語教室と政治教育部の講座を併せて約500名におよぶ教室と講座をやめるというのはあまりにも唐突であり、職員8名の内の6名に退職勧奨を行うという決定は常軌を逸しています。また、受講生と講師が切実に教室の継続を求めているにもかかわらず、7月10日より、常務理事と理事長は代替教室を回り、今後は政治教育部、英語教室の募集を行わないこと、自主運営の教室としてやってもらいたいと一方的に通知しています。

 婦選会館を愛するみなさん、婦選会館はこれまでに数多くの女性たちの活動によって存在し維持されてきました。また、会館では他では学べない丁寧な英語の指導や日本の政治や国際関係、女性・社会問題の学習ができるために今もたくさんの人が講座に通ってきています。なぜ、今、年度途中に国際部と政治教育部の事業を中止しなければならないのでしょうか。なぜ、国際部と政治教育部の事業を将来にわたって行わないという決定が理事会でなされたのでしょうか。
お忙しいことと存じますが、婦選会館が築いてきた歩みを大切にするために、緊急に以下の事柄について、記念会に何らかの形で申し入れをしてくださいますようお願いします。(市川房枝記念会に申入れされたご意見は、下記女性ユニオン東京にもFAXまたはe-mailで お送りください)

1.創設者市川房枝の意志である、財団寄付行為(目的)の「女性の政治的教養の向上」「公明選挙、理想選挙の普及徹底」「日本の民主主義政治の基礎を築く」事業を継続・発展させてください。
2.国際部と政治教育部の事業をなくすという決定を撤回してください。この重大な事を決定する前に、理事会は一度も担当職員および労働組合女性ユニオン東京)と協議していません。事業の大幅な縮小の理由について、理事会は記念会維持員、会館利用者、受講生、講師、労働組合そして会館に希望を抱いてきた人々に対してきちんと説明するべきです。
3.市川房枝記念会職員6名を解雇しないでください。
2006年7月12日
抗議先:市川房枝記念会 電話 03(3370)0238  FAX 03(5388)4633

連絡先 市川房枝記念会職員・女性ユニオン東京 電話 03(5352)6630      
FAX 03(3320)8093 電子メールwtutokyo@f8.dion.ne.jp

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(財)市川房枝記念会 理事会 御中

市川房枝記念会職員・女性ユニオン東京の緊急アピールの呼びかけを支持します。
下記の3項目を実施されることを強く求めます。

1 創設者市川房枝の意志である、財団寄付行為(目的)の「女性の政治的教養の向上」「公明選挙、理想選挙の普及徹底」「日本の民主主義政治の基礎を築く」事業を継続・発展させてください。
2 国際部と政治教育部の事業をなくすという決定を撤回してください。この重大な事を決定する前に、理事会は一度も担当職員および労働組合女性ユニオン東京)と協議していません。事業の大幅な縮小の理由について、理事会は記念会維持員、会館利用者、受講生、講師、労働組合そして会館に希望を抱いてきた人々に対してきちんと説明してください。
3 市川房枝記念会職員6名を解雇しないでください。

メッセージ
名前・所属

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市川房枝記念会のHPは、http://www.ichikawa-fusae.or.jp/