市川房枝記念会理事会あてに送ったアピール文

以下のアピール文を先ほど、市川記念会と、女性ユニオン東京あてにメールで送りました。


(財)市川房枝記念会 理事会 御中

私はアメリカ在住の女性学研究者です。日本に住んでいた頃は、『女性展望』を購読させていただいておりました。市川房枝記念会の英語教室、政治教育部の講座などの事業の突然のとりやめの決定、職員のリストラを通告したとのニュースを、知り、大変ショックを受けております。

耐震工事に関する具体的な計画も決まっていない中、職員や記念会の会員や会館利用者などの意思をまったく反映する機会もないうちに、突然のリストラ通告というのは、あまりに常軌を逸しています。とくに、市川房枝記念会職員や女性ユニオン東京とまったく話しあいもないままの決定との事。労働者の基本的な権利を、女性の地位向上のための組織である貴団体がまったく無視しているといえる現在の事態には、大変失望しています。

日本の女性運動史において、市川房枝氏ならびに市川氏の遺志を継いで、地道な活動を行って来た貴会の功績は甚大なものです。講座運営などを含む、幅広い事業内容があればこそではないでしょうか。特に、政治関連の様々な講座は意義深く、女性の政治家や、政治に携わる多くの市民たちを育てて来たと思っています。そして、日本の政治において、女性の進出が世界的にみても非常に低い状況が続いており、これらの講座を中止する状況とはほど遠い現状だと思います。ぜひ、これらの事業の継続を願っています。

また、貴会の素晴らしい業績は、地道なお仕事をされてきた職員の方々あってこそではないでしょうか。女性の働く組織においての、女性の労働状況に関して闘っている、貴会職員の女性ユニオン東京の組合員の方々の運動を、私はずっと支持してきました。女性の地位向上のための組織だからこそ、貴会には、労組との真摯な話し合いを一刻も早く始めていただくことを、特に期待しております。

よって、私は市川房枝記念会職員・女性ユニオン東京の緊急アピールの呼びかけを支持します。

下記の3項目を実施されることを強く求めます。

1 創設者市川房枝の意志である、財団寄付行為(目的)の「女性の政治的教養の向上」「公明選挙、理想選挙の普及徹底」「日本の民主主義政治の基礎を築く」事業を継続・発展させてください。

2 国際部と政治教育部の事業をなくすという決定を撤回してください。この重大な事を決定する前に、理事会は一度も担当職員および労働組合女性ユニオン東京)と協議していません。事業の大幅な縮小の理由について、理事会は記念会維持員、会館利用者、受講生、講師、労働組合そして会館に希望を抱いてきた人々に対してきちんと説明してください。

3 市川房枝記念会職員6名を解雇しないでください。

理事会の決定に関し、理事の皆様方の再考を、ぜひよろしくお願いいたします。

私の個人ブログにおいても、今回のリストラ通告の件について、意見ならびに議論をすすめておりますので、ぜひご参照ください。http://diary.jp.aol.com/mywny3frv/273.html

山口智美 (シカゴ大学東アジア研究センター研究員)