30MBのダウンロード用チラシとHPの位置づけ

ファイトバックの会HPが更新された。3月の控訴審の宣伝が掲載され、そこから控訴審の傍聴を呼びかけるチラシがダウンロードできるようになっている。

このチラシをダウンロードしてみたのだが、驚いた。なんと容量30MBもある。オールカラーにしても、サイズでかすぎる。ダウンロードするのに時間がかかるではないか。(もし電話線でつないでいる人がいるとしたら、アウトだな。)ネットでダウンロードできるチラシの類いをちょっと見てみたが、たいていカラーチラシでもサイズはこの1/10といったところだ。
おそらくPDFで掲載しているということは、印刷して宣伝のために配ってほしいとか、メールで転送してほしいとかいう意図があるのかとも想像するところだが(とくに、いまだにウェブはほとんど見ず、メールだけ利用する層がそれなりに多い女性運動界隈にあっては)、30MBもあるものを転送されたらとんでもなく迷惑だし、印刷するのだって大変だ。しかもオールカラーである。インク代が大変すぎる。

広めたいという目的のチラシであれば、しかもダウンロードして印刷してもらいたいかもしれないものであれば、なるべく印刷代などがかからないよう、白黒デザインにするなど、私だったら考えると思う。実際、会にいたときもそんな感想をもっていたのだが、チラシ担当の人の意見は違ったようだった。

しかもチラシデザインがすごい。原告写真がどーん、である。ますます写真がでかくなった気がする。ファンクラブ的な印象を第三者にますます与えそうだ。

さて、会のHPには、「チラシ展」というコーナーがある。今回、新しく、2009年チラシ展、というコーナーもできたようだ。会の運動の歴史をチラシを掲載することで表現しよう、保存しようという意図なのだろうと思う。「こんなにいろんなことをやってきたんだぞ!」と言いたいのかもしれない。だが、この「チラシ展」から、この会におけるHPの位置づけというものが見えてくるように思う。

「チラシ展」をみても、同じようなポスターが、少しだけ内容を変えてずらずら並んでいるばかり。これは、この裁判についてよく知らない第三者にむけたページとは思えない。実際、このチラシをならべることによるメッセージは何なのか、伝わりづらい。「報告会など開催者は参考にどうぞ」と書かれていることから、すでに裁判を支援している人が何らかの参考に使うべきページ、という位置づけでもあるようだ。

この会のHPが内向きなつくりであり、この裁判が何か知りたい、という目的で訪れた人には非常にわかりづらいつくりになっているという批判は今までにもあった。この「チラシ展」は、まさにそういう姿勢を表しているように思う。

そして、「30MBのチラシ」は、HPを利用する側のことが頭からすこんと抜け落ちてしまっているという感じで、ある意味その姿勢の典型的な表れかなあ、、という気もしてしまうのだった。