女性とマイノリティと労働者を支援するブラック企業?」をめぐる議論その2

macska(コヤマエミ)さんが、「女性とマイノリティと労働者を支援するブラック企業?」(3)、(4)として、議論の続きをminxにアップしている。

女性とマイノリティと労働者を支援するブラック企業?(3)
女性とマイノリティと労働者を支援するブラック企業?(4)

私も自分のもう一つの投稿文のほう、以下に記録もかねてアップしておく。
macskaさんの投稿と、私の以下の投稿があった後、上野さんは、これらの反応は予想通りであり、判断は参加者の「良識」に任せるとして議論からすっかり降りてしまわれたようだ。なお、問題の法律事務所/運動体の責任者は一度もでてこないままになっている。

この上野さんの反応は、やっぱり最後のパラグラフで私がWANの問題につなげたからなんだろうか。(macskaさんも言及しているし。)でも、この法律事務所をめぐる問題、WANの争議の問題とまったく同じとはいわないが、つながる面はどうみても大きいし、WANにおいて雇用者側だった上野さんにもどうしても返ってくる問題提起だと思う。そんな中、労働条件に関する質問をすることすらおさえつけようとする方向性には心底危機感を感じる。

以下、私のML投稿文。

上野さま、みなさま

山口智美です。

一連の議論や問題提起について、上野さんが「個人情報」や「当事者同士」の個人間の問題だと決めつけておられるようであることに大変驚きました。
労働者の労働条件や労働環境の問題は「個人情報」ではないと思います。そして、雇用者と労働者の間には明白な権力の差があるはずです。そして、雇用者には社会的な責任もあります。それをすべて「個人」の枠内で語られるのでしょうか。そういった語りを批判してきたのがフェミニズムだと私は思っているのですが。
上野さんは「個人情報」というレッテルを貼られることで、問題の矮小化をされているように私には思われます。

また、「トラブルがあれば当事者同士で解決なさるべき」と言われますが、それでは組合や労働運動そのものの否定になりはしませんか?また、例えばある企業において、労働条件や環境に問題があるという懸念がでてきた場合、応募する人たち以外が質問してもいけないということでしょうか。そして、そこで働く人たち、その仕事に応募する人たちのみでトラブルを解決すべきであるとお考えなのでしょうか。
それはフェミニズムおよび労働運動そのものの存在および歴史を否定することになるのではないですか。

(上野さんの投稿文引用:この部分は削除)

というご発言に、言葉を失いました。

コヤマさんの書かれた質問項目は、雇用者として守るべき、あるいは努力すべきと規定されている事項です。いわば、当たり前の質問です。それすら公開すべきではない情報と思われているのでしょうか。一般企業においても、例えば男女間の賃金格差などの問題が懸念され、それに関して例えば応募しようかしまいか迷っている状態の人が質問をした際、応募者以外には答える義務はないと門前払いしてよろしい、と言われていると同じです。
そして、ML上で出された募集広告に対して、質問をすることも私には当たり前のことに思われます。その答え次第で、応募をするか否か考えようと思う方がいらっしゃっても不思議ではありません。

しかしながら、上野さんが理事を務められるWANの労働争議の際に、172名もの多数の支援者の署名とともに要望書を数度にわたり送らせていただきましたが、まったくお返事がいただけなかったこと、こういうお考えのもとでだったのかと今更ながら確認した思いがいたします。

山口智美