在アトランタ日本国総領事館からのブルックヘイヴン市「少女像」に関する質問状への回答

Web世界に、アトランタ近郊のブルックヘイヴン市の「慰安婦」少女像に関する記事を掲載していただきました。

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5月に、ブルックヘイヴンを訪れ取材をした内容に基づいたものです。記事内でも紹介しましたが、この取材内容に関連して、在アトランタ日本総領事館に書面で質問を送付したところ、これに対する回答が中村温主席領事から6月11日に届きました。いわゆる「ゼロ回答」と言える内容ではありますが、以下に全文紹介しておきます。

以下、私の質問部分が書かれた後、囲みになっている部分が総領事館からの回答、ということになります。

 

1 Reporter Newspapers紙における2017年6月23日付の篠塚総領事のインタビュー記事については、私からの問い合わせ電話にお答えくださった中村様曰く、正確な報道ではなかったというご認識のようでしたが、具体的にどこが正確ではなかったとご認識されているのでしょうか。

 

(回答)インタビュー中にpaid prostituteという表現が用いられていないのにもかかわらずそのような書き方をしていることを正確でないと申し上げた次第です。

 

 また、このインタビューの中で篠塚総領事は以下のようにご発言されています。

"Maybe you know that in Asian culture, in some countries, we have girls who decide to go to take this job to help their family."

この中で、1) "girls"という言葉を使っておられますが、「慰安婦」は未成年だったというご認識ですか? 2) "this job"とは何の仕事を具体的にさしておられたのでしょうか。

 

(回答) 取材中の個別のやりとりについてのコメントは差し控えたいと存じます。

 

2 アトランタのCenter for Civil and Human Rights(公民権・人権センター)での「慰安婦」少女像設置計画について、建設の阻止に向けて日本総領事館が説明及び働きかけを行ったと地元メディアや、韓国系メディア、また産経新聞など日本の新聞でも報道されています。具体的に誰にどのようなご説明、及び働きかけをされたのでしょうか。篠塚総領事は、少女像が地元経済に影響を与えると説明をされたとも報道されていますが、それが本当なら、どのように少女像が地元経済に影響を与えると考えておられるのでしょうか。

 

3 ブルックヘイヴン市の「慰安婦」少女像設立に関しては、地元メディアや産経新聞などにおいて、日本総領事館が反対したと報道されていますが、市に対してどのような説明及び働きかけを行われたのでしょうか。また、ブルックヘイヴン市の少女像設立に関して、市議会のパブリックコメントの時間に貴総領事館の大山智子領事がご出席され、ご発言されていました。領事があのような場でご発言されるというのは全米のそのほかの土地でも前例がなく、大変珍しいことかと思われますが、なぜあえてパブリックコメントの場に出ていかれたのでしょうか。

 

4 ブルックヘイヴン市のブラックバーン公園で今年3月に開かれた桜祭りには、例年はご出席されてこられた総領事はご欠席だったとのことですが、なぜでしょうか。また総領事館として、桜祭り最中に公園の「慰安婦」少女像にカバーをすることを市に対して要求されたと聞きましたが、本当でしょうか。本当だとしたら、なぜカバーが必要だと考えられたのでしょうか。

 

上記2から4の御質問について、とりまとめ回答申し上げます。

(回答)総領事館の活動に関するコメントは差し控えさせていただきたいと存じます。

 

5 ブルックヘイヴン市のブラックバーン公園に植えられている桜の木は、日本政府または総領事館から寄贈されたものなのでしょうか?

 

(回答)日本政府又は総領事館による寄贈ではないと承知しております。

 

6 ブルックヘイヴン市の「慰安婦」少女像について、今後、撤去などの要求もしくは働きかけをされていく予定はありますか。あるとしたら、どのように働きかけるご予定でしょうか。また、今後、管轄地域内で新たに「慰安婦」像や碑設置の計画が出てきた場合、どのようにご対応されるご予定ですか。

 

7 貴総領事館にとって、「慰安婦」の像や碑を建てさせないことや、撤去させることは、最重要課題の一つとも言えるほどに重視されているご活動らしいという認識を市民の方々から伺いましたが、そうなのでしょうか。また、「慰安婦」像をめぐる総領事の動きについては、個人的なお思いからのものなのか、それとも外務省の指示を受けてのものなのか、どちらなのでしょうか。

 

8 「慰安婦」問題以外に力を入れられている歴史認識及び領土問題はありますか?あるとしたらどのような問題でしょうか。

 

9 「慰安婦」問題などの歴史認識問題に関して、今後、どのようなご活動を総領事館としていかれるご予定でしょうか。

 

上記6から9の御質問について、とりまとめ回答申し上げます。

 

(回答)ブルックヘイヴン市を含む世界各地における慰安婦像や碑の設置は,我が国政府の立場やこれまでの取組と相容れない,極めて残念なことであると考えております。

 我が国としては,これまでも様々な関係者に対し,慰安婦問題を含む幅広い分野に関する我が国政府の基本的立場や取組について適切に説明し,理解を求めてきております。引き続き,こうした取組を続けてまいります。